まずは見守り、そして「何かお手伝いしましょうか?」

駅や街角で盲導犬を連れている人を見たら、少しだけ見守ってみてください。その後、何かに困っている様子があれば、率直に「何かお手伝いしましょうか?」と人へ向かって声をかけましょう。困っていればお手伝いをお願いしますが、お手伝いが必要ない場合にはお断りします。断られても嫌な気分にはならないでください、声をかけられた人は安心感を覚えたり嬉しい気持ちになるものです。
交差点などで、危ない時ははっきりと「盲導犬を連れている方、ストップ! 今は赤です」

赤信号などに気づかず、横断歩道を渡ろうとしている人がいたら「赤信号ですよ、止まってください」と声をかけてください。その時「盲導犬を連れている方」など、ご本人が自分だと自覚できるような言葉を添えて、何が危ないかを具体的に知らせましょう。また駅のホームから落ちそうだったり、車と接触しそうな緊急時には体を抱え込む、つかむなど、緊急回避をしてください。
具体的に「どこへ行きますか?」「何が必要ですか?」

お手伝いが必要だった場合はどんな手助けが必要か、どんな案内の仕方がいいかなど、ご本人に具体的に聞いてみてください。「ひじにつかまらせてください」など、その人が一番いいやり方を教えてくれます。この時、いきなり手を引っ張ったり、後ろから押したりしないように気をつけましょう。またお手伝いが終わったときの「ここで失礼します」の一言も忘れずに。
【その他にも、思わぬところでお手伝いが必要です】
・お買い物に出かけ、洋服やネクタイを選ぶとき、色や柄がわからず悩む
・お店に並ぶ商品の金額がわからず、レジに並んでいるときは「いくらになるかな」と不安
ここでは「今、すぐにでもできること」に絞って3つのポイントを紹介していますが、視覚障害の方々は、この他にもまだまだちょっとしたことで危険な思いをすることがあります。そんな時は、すぐにお手伝いができるよう、日頃から心がけていきましょう。

日本盲導犬協会ではこんなスタイリッシュなバッジを作っています。
お洋服やバッグにつけるなど、ファッションの一部としてとりいれながら、街中の人々がますます盲導犬や視覚障害について知り、理解することでお手伝いへつながることを願っています。
text : Wakako Matsukura
illustration : Masatoo Hirano
photo : Masahiro Yamamoto