ユカヌバタイムス

24

Jul

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盲導犬について、見て学べる!
「盲導犬の里 富士ハーネス」

日本盲導犬協会が運営する「盲導犬の里 富士ハーネス」をご存知でしょうか?静岡県富士宮市にあり、晴れた日には雄大な富士山を見上げられる場所に日本で唯一、一般のお客さまが見学できる訓練センターがあります。「盲導犬の里 富士ハーネス」とはどんな活動をしている場所なのか、センター長の佐野智浩さんにお話を伺いました。

盲導犬の誕生から引退までトータルケアする施設「盲導犬の里 富士ハーネス」

盲導犬の里 富士ハーネス センター長 佐野智浩さん

今から11年前、開設と同時に協会職員となり、現在センター長に就任した佐野智浩さんに、「盲導犬の里 富士ハーネス」の役割について聞いてみました。

富士ハーネスとは、どんな施設になるのでしょうか?

「富士ハーネスとは、盲導犬が母親犬から生まれてくるところからサポートし、パピーウォーカーさんへの受け渡し、盲導犬の訓練、さらに盲導犬を引退した後の引退犬のケア、引退犬飼育ボランティアの家庭への引き渡しも行っています。盲導犬の一生をトータルでケアする施設となります。
詳しくお話しすると、まず受胎した母親犬が出産の1週間から10日前にうちにやってきて、ここの環境に慣れた後に子犬を出産します。そして生まれたての子犬たちは兄弟犬や母親犬と過ごし、2ヶ月が経つとパピーウォーカーの方々へ引き渡します。その後、1歳になった犬を盲導犬として訓練し、盲導犬ユーザーの方へお預けします。
盲導犬が約8年のキャリアを終えた10歳前後のタイミングで、引退犬飼育ボランティアのご家庭に引き渡すわけです。他の訓練センターには訓練中の犬がいるのに比べて、ここは主に出産準備に入った母親犬と、生まれたての子犬、引退犬がいるところが違います」

なるほど、ではここには訓練真っ最中の犬のほかに、生まれたての子犬や引退犬も生活しているということですね。

「そうです、また水曜日と年末年始の休館日を除く日程以外は毎日、午後から建物の中を見学したり、盲導犬デモストレーション、PR犬とのふれあいも楽しんでいただけるような取り組みをしています」

では早速、施設の中を案内します!

1 入り口にはお土産コーナーと初代盲導犬「千歳号」の剥製がある

外から見るだけでもモダンで洗練されたムード溢れる建物の中へ進むと、玄関には大きな盲導犬のマスコットが置かれていました。その向かいには様々なグッズが購入できる売店もあります。さらにその横には、1940年代に活躍した盲導犬・千歳号(ジャーマン・シェパード)の剥製が展示されていました。

その後、受付を過ぎて早速、直線の廊下へ。

廊下の壁には、盲導犬にまつわるいろんな掲示物が!

「ある程度順路が決められてまして、そこを回って壁に貼られている掲示物を見ていくことで、盲導犬への理解や知識を深めてもらえるように工夫しています」

2 ラウンジは憩いの場、多目的ホールは催し物の部屋

廊下をさらに進むと、白を基調とした大きな部屋があります。

「ここはラウンジになっていて、飲食を提供する場所ではないのですが、富士ハーネスへ来られた方が休憩する場所になっています。また盲導犬と生活を共にする人が泊まり込みで共同訓練をするんですけど、その時の食事の場としても使われます。
奥には『あゆみ・ふじまる文庫』と言って、盲導犬や視覚障害に関する様々な書籍を取り揃えた図書コーナーがあります」

そしてラウンジの隣には、デモストレーションをしたり、レクチャー会を開いたり、また雨の日の訓練などで使われる大きな多目的ホールが広がります。

中はモノトーンの壁と床に、真っ白な椅子が並び、とてもシックで洗練された雰囲気! しかしこの配色、おしゃれのためではありません。

「黒、白のコントラストを付けているのは、目が見えにくい視覚障害者がどこに座るかなどを識別しやすくなるよう色分けしてあるんです」

同じような原理で、一部のトイレが黒と白を基調とした配色になっています。

3 廊下では盲導犬の歩行訓練も行われている

ところで廊下の壁に棒が取り付けられたり、足元にコーンが置かれていますが、それはなんですか……?

「今ちょうど、館内で盲導犬の訓練中だったんですが、このポールやコーンは、道端にある障害物を想定して設置されているんです。盲導犬は自分だけが障害物を避けられては意味がありません、例えばトラックのミラーなど、ユーザーの目線にあるものをちゃんと避けられるようにポールを使った訓練を行っています。またコーンに関しても、足元にある障害物でも飛び越えたりせず、ちゃんと迂回することを教えるために置かれているんです」

訓練の様子がこちら。

確かに盲導犬が簡単に跨げそうな高さの障害物でもちゃんと迂回して歩いています。何の気なしに跨いでしまいがちな小さな段差も、視覚障害がある場合は難しくなることを学びました。

富士ハーネスは四角形になっており、4辺の廊下をぐるりと回ることで、施設を一周できる作りに。また子犬や引退犬がいるときには、子犬や引退犬の見学も可能です。

4 広大な敷地には外にもさまざまな遊び場、訓練の場が

屋外には公園のようなスペースがあり、ここでは子犬たちが富士ハーネスの外へ出たときのことを考慮して様々な遊び道具が置かれています。

「砂利や石の上を歩く訓練だったり、グレーチングワークと言って排水溝の上にあるフタの上を歩く練習などもここで行います。人間が遊ぶような子供向けの遊具を使って社会性を養っています」

その他にもドッグランや模擬訓練コースを有する「盲導犬の里 富士ハーネス」。今回は30分あまりで施設を回ったんですが、資料をじっくり見ながら歩くとなれば1時間半はゆうに掛かりそうな盛りだくさんな内容となっていました。

家族で遊びに行けば、子供達の学びの場としても楽しめる「盲導犬の里 富士ハーネス」へ是非足を運んでみてください。

日本盲導犬総合センター「盲導犬の里 富士ハーネス」

〒418-0102 静岡県富士宮市人穴381

TEL : 0544-29-1010 FAX : 0544-54-3030

盲導犬デモストレーションのスケジュール

平日 14:00〜14:40

土日祝 11:00〜11:40、14:00〜14:00(水曜日を除く)

text : Wakako Matsukura

photo : Masahiro Yamamoto

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