ユカヌバタイムス

28

Aug

ACTIVE DOG

愛犬とスポーツの深いイイ関係。
〜有本孝典さんに聞く、愛犬とスポーツについて〜

ユカヌバタイムスで紹介したエクストリームチャンピオンシップのほか、アジリティーやフリスビードッグ、フライボールなど、国内外にはさまざまなドッグスポーツがあります。多種存在するドッグスポーツを愛犬とオーナーはどのように楽しんでいるのか。静岡で開催されたエクストリームチャンピオンシップで出会い、16年にわたってドッグスポーツに携わっているという有本孝典さん。ドッグスポーツを始めたきっかけやこれまでの取り組み、ドッグスポーツの魅力について語っていただきました。

しつけの延長線上でドッグスポーツと出会う

今年の4月に開催されたエクストリームチャンピオンシップでは、愛犬・ドーンのケガにより出場せず、ボランティアとして参加した有本さんですが、そもそもどのようにしてドッグスポーツに携わるようになったのか。それは1頭目に飼い始めたオーストラリアン・シェパードのサンディがきっかけだったそうです。

「ちょうど16年前、ちょっとした縁で飼い始めたサンディという雌犬がいました。サンディを飼い始めた頃にしつけ教室へ通わせていたんですが、教室ではうまくできても、家へ帰るということを聞かない。そんなことが続いたので、訓練士の方に相談したところ、ワンちゃんにしつけをしながら遊びとして楽しめるドッグスポーツを教えてもらったんです」。

「それならサンディが楽しみながらしつけが出来ると思い、まずアジリティー(ハードルやトンネルなど、障害物が設置されたコースを飼主の指示の通りにクリアしていく競技)を始めました。その他にもオビディエンスと言われる訓練競技やフリスビー、フライボールなど、片っ端からいろんな競技に挑戦しましたね。現在、地区大会が行われているエクストリームチャンピオンシップも、一緒にドッグスポーツをしている友人から声をかけられて始めたんです。競技に勝ちたいというより、愛犬と一緒になってスポーツするのが楽しかったですね」。

仲間内ではドッグスポーツの講師を務めることもある有本さん

2頭目に飼い始めたライズがさまざまな大会で優勝を果たす

サンディが現役中に、知人から「もう一頭、飼ってみない?」と言われ、有本家に引き取られることになったのが、のちに日本のドッグスポーツ界にその名を轟かせることとなるライズだったそうです。

ドッグスポーツで大活躍したライズ/オーストラリアン・シェパード(12歳)

「そうですね、サンディが中の上だとしたら、ライズは上の上(笑)。たまたま縁があってうちが引き取ったんですが、ライズはびっくりするくらい素質があって、周りや親御さんからも“こんな才能のあるワンちゃんはなかなかいないよ”って言われていました。胴が長くて安定感があって、体も柔らかかったんです。2010年に開催されたアジリティーの大会では、上位3頭に入賞して、プロのワンちゃん達と一緒に日本代表としてドイツへ連れて行ってもらったんです」。

無駄のない動きと俊足を生かして、見事に完走。最後は有本さんとハイタッチするライズ。

「ライズのおかげでドイツへ行くことになり、初めての経験ながらお互いに納得のいく成績も残せたと思います。ヨーロッパの史跡を多少見ることもできたし、良い思い出の旅になりました。またドイツで印象的だったのは、日本に比べて犬同伴で入れるお店がたくさんあるということ。そんなところから犬に関する、海外と日本の意識の違いを痛感しました」。

ライズの血を引くドーンもそろそろシニアに突入

そんなライズは現在、現役を引退して、のんびりと老後生活を送っています。そしてその息子になるのがドーン

アシンメトリーな柄がスタイリッシュなドーン/オーストラリアン・シェパード(7歳)

「ドーンはライズの息子ですが、性格は温厚ですね。アジリティだけでなく、エクストリームでも入賞しています。今は後ろ足をケガしてしまい無理な運動はさせられないので、足の具合を見ながらエクストリームに出られればいいですね」。

愛犬の体調管理で気をつけている食事とケガについて

一緒にドッグスポーツを楽しむワンちゃんとの生活で、有本さんが特に気をつけていることは「食事とケガ」だといいます。

「食事は犬の状態に合わせて、臨機応変に調整することが大切です。基本、毎日決まった量を与えますが、季節やちょっとした環境の変化で犬のコンディションは変わってくる。だからこまめに体重を測ったり、抱っこした時の感覚で太ったら減らして、痩せたら増やしてと、数グラム単位で食事の量を調整しています。犬によっては食事を少し増やしただけで1、2kgすぐ太ってしまったりするんですけど、それは人間に換算すると10kgくらい変動していることになるんです。現役時代は特に常に細心の注意を払って管理していました。

また食事を上げるタイミングもそれぞれの家庭でルールがあると思いますが、うちのワンちゃんたちは少し消化が遅いので、1日に少量ずつ3回に分けて食事をさせています。年長のライズは腎臓と肺が良くないので、療法食にしてね。とにかく年齢や状態、今のライフスタイルに合わせてこまめに調整してあげることが大切です」。

7歳になりシニアに突入したドーン。現役時代は競技をするために、少し体重を絞っていたそうです。

「飛んだり跳ねたりするときに、本来の平均体重だと着地した時に関節に負荷がかかってしまいケガをしてしまうんですよね。だから少しタイトに、身軽な状態にしていました」。

ケガについても、食事同様の注意が必要だと有本さんは語ります。

「1頭目のサンディが年老いて、病院へ連れて行ったとき、レントゲンを撮ったんです。そしたらお医者さんから“結構、たくさん細かく骨折した跡がある”と言われてしまった。僕らはそれに気づけずに生活させてしまっていたんですよね。日頃から遊んでいたり、スポーツをしている上でケガをしてしまうことがある。その時はすぐにそれに気づいて無理をさせず、サポーターをつけてケアしてあげるよう今は気をつけています」。

有本さんが思う、ドッグスポーツの魅力とは?

3頭の愛犬とともに16年にわたってさまざまな競技を楽しんでいる有本さんの中でも、少なからず変化があったと語ります。

「サンディを迎えてドッグスポーツに関わって以来、日頃から犬にとってどんなことが良いか、また我が家の犬たちだけでなく、他のお家のワンちゃんにも気がむくようになりました」。

では最後に、そんな有本さんが思うドッグスポーツの魅力とは?

「普段の生活とは違い、スポーツを通して共有できる楽しみがありますね。一つの目標に向かって、愛犬と練習するのも楽しいですし、その上でお互いの意思の疎通や絆がどんどん強くなっていくのを感じられるのも嬉しいです。余談ですが、私自身、年齢を重ねるに連れて体の衰えを感じていましたが、ドッグスポーツを一緒にすることで老けるスピードが遅くなっていると思います。アジリティーは毎回コースも変わり、こなす障害物の順番もその都度覚えなければいけません。そう考えると頭の体操にもなるし、走り回ることで体力や足腰の老化防止になるなと今更ながら考えています。今はドーンのリハビリも兼ねて、4〜5kmほどジョギングをしているんですが、それだって自分のためでなく愛犬のためだと思えは苦じゃないですね。あと地方大会などの度に遠征するのも旅行として楽しいですね(笑)。各地で美味しいものを食べたり、勝敗だけにこだわらず愛犬とのイベントとして楽しまれている方も多いです」。

左からドーン、2年前に亡くなったサンディ、ライズが収められた微笑ましい1枚。

取材日当日も、お知り合いでドッグスポーツ参加者の方々が練習場に集まり、午前中からトレーニングをされていた有本さん。犬もオーナーも一緒になって走り回り、声をかけながら和気藹々とアジリティーに取り組む姿が印象的でした。競技会とはまた違った切り口でドッグスポーツに触れることができ、愛犬とオーナーのスポーツを通じての深いイイ関係を垣間見ることができました。

text : Wakako Matsukura

photo : Masahiro Yamamoto

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