エクストリーム・チャンピオンシップってどんな競技?

2018年度のエクストリーム・チャンピオンシップ決勝大会
愛犬とのより良い関係性づくりや、人と犬が心地よく共存できる社会づくりを目指し、1999年にスタートしたエクストリーム・チャンピオンシップ。ハードル・昇り降り・トンネルなどさまざまな障害物を越えながら走る「総合種目」と、障害物は低いハードルのみで行なわれる「ハイスピード種目」があります。
春の開幕大会(今年度は東京で開催)に始まり、関西地区大会、信越北陸地区大会、東北地区大会がそれぞれのエリアで行なわれ、秋の決勝大会では各地区大会の上位ペアが一堂に会します。昨年度は168組のワンちゃんとその飼い主さんが決勝に進みました。

ドッグライフプランはしもと 代表 橋本貴士さん
「ひとつの目標に向かって、犬と一緒にチャレンジしていく。そのおもしろさがエクストリームの最大の魅力です」。
そう語るのは、大会を主催する橋本貴士さん。『犬も、飼い主も、犬を飼っていない人も快適な町づくり』をコンセプトに活動するドッグライフプランはしもとの代表として、イベントやしつけ教室などを行なっています。
ドッグスポーツで重要なのは、いかに愛犬の性格を知ってやる気を引き出すか。犬と飼い主の絆が試されるともいえます。では、エクストリーム・チャンピオンシップに向いているのはどんなワンちゃんなのでしょうか。
「元気に楽しむことがいちばん大切なので、『うちの子は何もできないけどテンションだけ高くて…』なんていうワンちゃんは実はエクストリームにぴったりで、スポーツの才能が開花するかもしれません。また、エクストリームを始めたことで関係が深まり、無駄吠えや引っ張りなどの問題行動が改善されたという例も。本当にいろんなワンちゃんが参加してくれています」。
犬の「やる気」と「健康」を重視したドッグスポーツ
エクストリーム・チャンピオンシップが誕生して間もない頃から、スタッフとして運営に携わってきた橋本さん。2017年からは主催者となり、会場確保から受付管理、機材管理、プロモーションにいたるまで一貫して手がけています。
エクストリーム・チャンピオンシップを立ち上げたのは、橋本さんが独立前に勤めていたNPO法人の代表でした。犬を誘導するハンドリング技術だけをフィーチャーするのではなく、犬自身が楽しむことや健康でいることに目を向けられる大会をつくりたい。そんな思いからスタートしたそうです。
「画期的だったのは、競技中にBGMと実況をつけたこと。ルールを知らない人が見てもわかりやすい、みんなが楽しめるスポーツを目指したそうです。当初は『そんなの意味あるの?』と言われることもあったらしいのですが、毎年続けるうちに少しずつ受け入れてもらえるようになりました。最近ではストレッチやクールダウン、マッサージをきちんとするなど、犬の健康管理への意識もだいぶ高まったと思います」。

過去のエクストリーム・チャンピオンシップ大会風景
飼い主と愛犬が一緒に楽しみ、その結果として勝敗がついてくる。そんなスタンスが参加者にも浸透していることは、大会を見ているとよくわかります。競技前のワンちゃんはみんな「待ちきれない!」という仕草を見せ、愛犬と一緒にゴールする飼い主さんは誰もが晴れやかな笑顔。
「楽しくなければ犬も本気でやりませんから。犬がやりたがって仕方ない、というのがエクストリームの理想の形です。まずは国内での認知度をもっと高めて、ゆくゆくは世界展開もできたらいいですね」。
初めての方には、「体験会」「練習会」からの参加もおすすめ!
リピーターが7割という根強い人気を誇るエクストリーム・チャンピオンシップ。昨年の大会では、初年度からの連続参加者が4組もいたというから驚きです。
一方で、新しい参加者を増やすための取り組みもしています。「エクストリーム体験講習会」では、初心者でも安心して参加できる講習や模擬競技会を実施。関西・信越北陸・東北の地区大会の前日には、出場者以外の参加もOKの「エクストリーム練習会」を実施しています。ほかにも、イベント内でミニ体験コーナーを設けるなど、誰もが気軽にチャレンジできる機会を増やしているそう。
「体験会では、おもちゃやおやつを使わずに練習するのですが、飼い主さんが褒めてあげるだけで5分も経たずにできるようになるワンちゃんがたくさんいます。『うちの子には無理…』と思っていた方ほど、それが自信になり、愛犬への愛情につながっていくんです」。

エクストリーム体験講習会の風景
また、今年度から総合種目で使うハードルの高さが変更になり、ワンちゃんにとって跳びやすい設定へと変わります。これも、より多くの方に参加してほしいという思いから。
「いつも参加してくださっている方はもちろん、新しい方にもたくさん来ていただいて、大会をみなさんで賑やかに盛り上げたいと思っています。事故や怪我のない楽しい1日を過ごしていただけるように運営をがんばりますので、ぜひお気軽にご参加ください。観戦だけでも大歓迎です」。
地区大会の参加申込〆切は、各大会の10日前。興味のある方は詳細をチェックしてみてくださいね!
2019年度 エクストリーム・チャンピオンシップ 地区大会
- <開幕大会>
- 2019年4月6日(土)・7日(日) @東京都お台場「夢のひろば」
※申込〆切:3月28日(木)
- <関西地区大会>
- 2019年5月26日(日) @兵庫県姫路市「大塩シーサイドパーク」
※申込〆切:5月16日(木)
- <信越北陸地区大会>
- 2019年6月23日(日) @新潟県南魚沼市「しゃくなげ湖オートキャンプ場」
※申込〆切:6月13日(木)
- <東北地区大会>
- 2019年9月29日(日) @福島県会津美里町「せせらぎ公園」
※申込〆切:9月19日(木)
- <最終大会>
- 2019年10月12日(土)・13日(日) @静岡県浜松市「浜名湖ガーデンパーク」
※申込〆切:10月3日(木)
申込方法は公式サイトでチェック!
http://www.doglifeplan.jp/extreme/top
text : Atsuko Mitsuhashi
photo : Fumihiko Ikemoto, Hikaru Funyu