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ユカヌバタイムス

4

Dec

ACTIVE DOG

アジリティで世界の頂点を目指す!
訓練士・海戸田正徳さんとコナンの挑戦

愛犬とハンドラーがペアとなり、複雑に配置された障害物をクリアしながらタイムを競うアジリティー。日本では1990年代にヨーロッパから上陸し、今やワールドワイドに人気を誇るドッグスポーツとして知られています。 そして今年の10月、スウェーデンで行われた世界選手権大会に日本を代表して10月、スウェーデンへ渡った出場ペアの1組がルモンドドッグスクールを主宰する海戸田正徳さんとボーダーコリーのコナン(♂・6歳)です。今回は大会を目前に控える海戸田さんへインタビューが実現しました。

ルモンドドッグスクール 訓練士・海戸田正徳さん

子供の頃に見たTV番組をきっかけに、犬の訓練士を目指す

日本国内で数々の功績を残し、過去に何度もアジリティーの世界選手権大会に出場している海戸田さんですが、そもそも、なぜ犬の訓練士を目指したのか。そのきっかけは学生時代にありました。
「もともと幼少期からいろんな動物と生活をしていまして、その中でも犬が特に大好きでした。実家では柴犬を飼っていたんですが中学、高校のときは僕が散歩へ連れて行くのが日課になっていて、いつも夕方は他の犬たちやオーナーさんが集まる広場があって、そこへ行くのが毎日の楽しみだったんです。
その後、進路を考える時期に差し掛かったとき、たまたまとあるTVで訓練士の方が薬殺処分目前の犬を引き取って、一からしつけをして引き取ってくれる人を探しているというドキュメンタリー番組を見たんです。それで“訓練士って素敵だな”という気持ちとともに、その道に進むことを決意しました」。

海戸田さんは現在、14歳から2歳までのボーダーコリー6頭と迷い犬として引き取ったシーズー(♂・年齢不詳)1頭の計7頭と生活を共にしています。

警察犬・家庭犬の訓練学校で10年間働き、アジリティーを知る

犬の訓練士になることを目指し、さっそく埼玉にある由緒正しき警察犬・家庭犬学校へ勤めることになった海戸田さん。そこでの経験は、今どのように役立っているのでしょうか。
「当時、犬関係の雑誌がたくさんありまして、そこに載っていた埼玉の訓練学校へ見習い訓練士として入り、その後10年間、勉強しながら働いていました。
そこは警察犬や災害救助犬から家庭犬まで、幅広い犬種のしつけをしたり、トレーニングしている学校でした。家庭犬が訓練競技会へ出場するための訓練から、警察犬の防衛訓練や臭気選別、追跡作業なども行います。ときにはショーに出場するジャーマンシェパードを含む200頭以上の犬たちの世話をしていました。今、うちで一緒に暮らしている犬たちの健康状態のチェックや食事管理の感覚というのはその時に培われたものが大きいですね。目で見て太っていないか、痩せすぎていないか、ちょっとした動きの違いや日々の食事の量も計量せずに分かります」。

警察犬・家庭犬学校で働いていた当時、海戸田さんがジャーマンシェパードへの高等訓練を行っているシーン。

現在、ドッグスクールの軸となっているアジリティーとの出会いもこの頃でした。
「その当時、日本にちょうどアジリティーが入ってきたばかりでして、私がいた訓練学校でもそれにいち早く注目し、訓練に取り入れていたんです。
僕自身も動くことが好きだったこともあり、たくさんあるトレーニングの中でもアジリティーの練習が特に好きだったんですよね。本来、アジリティーとは、犬と人との生活をストレスなく送ることを目的とするしつけと違い、犬と人が一緒になって楽しめることを目的としています。ハンドラーが一緒になって犬と走り、お互いに楽しみながら競技をこなしていく。うまくいけば観客から歓声や拍手も上がる、とても華やかですし、その声援は僕にとってもとても心地良いものでした。犬にとってしつけは生活のためですが、アジリティーはご褒美という感覚だと思います」。

独立直後は場所を借りて出張訓練などを行いながら、念願のドッグスクールを立ち上げる

訓練学校で10年間働いたのち、海戸田さんは自身の目標だったルモンドドッグスクールを開業します。
「開業当初は十分な資金もないのでいろんな場所や公園を借りて出張のドッグスクールを開いていました。学校で習った訓練を活かして、シェパードのショーのトレーニングをしたり、もちろん家庭犬のしつけなども行いました。その合間に、アジリティーの道具を自分で作り、公園を借りてアジリティーを教えたりもしていました」。

ドッグスクールを立ち上げて、さらにアジリティーのトレーニングに力を入れはじめた海戸田さんの当時の様子がこちら。

一緒に走っているのは今年14歳になるチャロ(ボーダーコリー/♂)。過去には2回世界大会へ出場しています。下右の写真はドイツの世界大会へ出場したときの様子。

左が海外遠征時、右はさらに遡って子供時代のチャロ。

チャロは現在も、ルモンドドッグクスールで最年長として元気に過ごしています。

そして期待の新星・コナン(♂・6歳)と出会う

現在、18年目を迎えるルモンドドッグスクールで、海戸田さんも「惚れ惚れする」と語るほど、優秀なコナンがいます。
「コナンは生後2ヶ月からうちにやってきて、現在6歳になるんですが、とにかく頭が良くて身体に柔軟性があります。例えば直線スピードが速いというワンちゃんはたくさんいますが、コナンはそれに加え柔軟性があります。
日本ではアジリティーの大会があり、それが世界選手権大会の予選にもなっているんですが、6歳にしてすでに世界大会に4回出場しています。その他の大会でも海外遠征経験があり、とても期待しています」。

左はコナン、1歳のとき。競技中、華麗にハードルを飛ぶコナン。

6歳になったコナンは10月にスウェーデンで開催されたアジリティーワールドチャンピオンシップにも出場しました。

ルモンドドッグスクールの広大な敷地で生活をしているボーダーコリーたち。

犬が心底、楽しむことでアジリティーのタイムが上がる

さまざまな大会で素晴らしい成績を残す海戸田さんが訓練中に気をつけていること、大切にしていることとは、技術よりも犬の気持ちだそうです。
「大前提として根本的にオーナーさんやハンドラーのしつけやコントロールが効いていることですね。その上で、一番大切なのは犬も人も楽しく取り組んでいること。アジリティーはスピードを競いますが、そのスピードを上げるにはとにかく犬が楽しんでトンネルに入ったりリングを飛んだりしていること。いやいや従っていたり、つまらないと思っていると集中力も落ちますし、そんな状態でワンちゃんを付き合わせるのはかわいそうですしね。生徒さんに対しても、その辺りは訓練をしながらも常に気をつけて指導するようにしています」。

もはやカメラでは追いかけられないくらいのスピードで疾走するコナン。でも止まるべき場所ではピタッと静止して海戸田さんにアイコンタクトをします。大会直前にはケガに細心の注意を払い、あまりハードな練習を課すことはありません。

海戸田さんの愛情表現は「常に一緒にいること」

訓練士として、しつけやトレーニングをしながら、8頭のワンちゃんたちと生活する海戸田さんの愛情表現とはシンプルでありながら、なかなか実現しがたいものでした。
「とにかく常に一緒にいることですね。訓練士という仕事上、朝から晩まで一緒にいます。普通のオーナーの方は外で仕事があったり、外出するときは連れて行けなかったりすると思いますが、僕は家でも一緒に寝ているので覚めて眠るまで、出かけるときも24時間一緒に過ごしています。
仕事中も、ちょっと目を向ければ愛犬たちを見ることができるし、向こうも僕が見えている。その環境作りが犬たちにとって僕の愛情表現ですし、犬好きの方からしたらとても羨ましい環境なのではないかと思います」。

ルモンドドッグスクールとしての今後、海戸田さんの展望

訓練士として30年以上、犬と向き合い自らドッグスクールを運営している海戸田さんが、これから思い描く展望について最後に伺いました。
「そうですね、ルモンドドッグスクールとしては、もっともっと世界大会に通用するようなペアを育てていきつつ、自分でも世界トップを目指していくつもりです。日本のアジリティーのレベルが上がってきている部分もありますが、世界レベルでいうとまだまだです。それに伴って、海外での入賞も日本はまだまだ獲得が少ないのが現実です。そんな中で少しでもいい成績を残せるペアをうちのスクールから出したいですね。またブリーダーとして繁殖にも力を入れていきたい。
スクールとしてはそういう感じですが、加えて僕個人的に最近思うのは、ここ数年、日本各地でさまざまな災害が起こっていますよね。そこでボランティアの方々が活躍されている様子を目の当たりにしたり、行方不明になった子供を発見されたニュースを見てとてもかっこいいなと思いました。犬の将来を考えても、ドッグスポーツは一生できるものではありませんから、ボランティアとか社会貢献という分野を視野に入れながら何か活動がしていければいいなと思っています」。

Text : Wakako Matsukura

Photo : Masahiro Yamamoto

画像提供 : Masanori Kaitda

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